2023/03/15味える御膳
4月の行事食(花祭り)
4月の行事食(花祭り)
クリスマスは定番な行事ではありますが、「花祭り」は珍しいと思う方々も多いでしょう。お釈迦様が生まれた4月8日に行われ、祭りを否定する仏教で唯一「祭り」といわれる行事です。現在のネパールのルンビニの花園でお釈迦様が生まれたことから「花祭り」と呼ばれるようになりました。
灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、降誕会(ごうたんえ)などの別名もあります。
寺院では法要が営まれ、花御堂に安置された誕生仏に甘茶をかけたり、甘茶を飲んだりします。また、自宅で花を飾ったり甘茶を飲んだりしながら楽しむ方もいます。お釈迦様が生まれた時に龍が天から降りて香湯(甘露の雨)を注ぎ、洗い清めたという伝承に由来します。
花祭りには精進料理や旬の食材が好まれます。なかでも地上に出たばかりのタケノコは、土の中から天に向かって真っすぐ伸びる姿が誕生仏に似ていることから、別名・仏影蔬(ぶつえいそ)と呼ばれ、尊ばれています。
他にも、サヤの先が天に向かって伸びる空豆(別名・仏豆)、「天上天下唯我独尊」に通じる独活(うど)などが用いられます。
そんな花祭りの主菜「白身魚の桜蒸し」は、白身魚を桜の塩漬けと共に蒸し、桜の香りをまとわせた春らしい一品です。掲載している写真の様に目でも口でも春を感じる行事食、ぜひご賞味ください。